鳳来牛との出会いSTORY1/4

インタビュー1

内藤精肉店の内藤さん

豊田市で鳳来牛(ほうらいぎゅう)を扱う、内藤精肉店。
その社長、内藤さんに鳳来牛との出会いをインタビュー。
聞き手:鈴木孝明(ルーコ)



──
鳳来牛は松阪牛や飛騨牛に比べると、マイナーなブランド牛ですよね。
内藤さんは、なぜ松阪牛ではなく鳳来牛を扱っているんですか?

内藤
マイナーなブランド牛って、失礼じゃない?(笑)

──
ごめんなさい。今まで聞いたことがなかったので。

つい有名なブランド牛を思う浮かべてしまいます。

つい有名なブランド牛を思う浮かべてしまいます。


内藤
それなら、三重県で有名な牛と言えば?

──
松阪牛ですね。

内藤
岐阜は?

──
飛騨牛。

内藤
愛知は?

──
ない。

内藤
・・・と、いうふうじゃん。そこに「それじゃあかんじゃん!」と、精肉店としては思うんだよ。

──
愛知にうまい牛肉がない。それじゃダメだと。

内藤
いや、あるんだよ。愛知県にも当然うまい牛肉はあると。
そんで、愛知・・・三河のうまい牛肉を発信できたらいいなぁという想いが、俺の動機だったよね。

──
地元の牛である必要があったんですね。

内藤
その・・・豊田市って、地方から働きに来られる方、多いじゃん。

──
はい。トヨタ自動車がありますし。

内藤
そう。例えば九州からね、こっちに来た人が「いま俺が豊田で一生懸命がんばっとるで!」って、地元においしいものを贈るでしょ?
豊田で頑張っとるのに、松阪牛や飛騨牛を届けたりする話を聞くと、肉屋としては「ちょっと待って」と思うの。俺は。

──
それはどういう心境なんでしょうか。

内藤
松阪牛を贈るのもいいことだよ。
「あぁ、うちの子が松阪牛くれた。」というふうに、そりゃあご両親は思うはずだよ。
ただ、豊田市で頑張っとって、愛知県のうまい牛もあるんだから・・・。
たとえば九州から来た人がね、鳳来牛(ほうらいぎゅう)を知って手に取れるように、肉屋としてがんばらないと、俺がかっこ悪いよなぁと。

鳳来牛を見つめる内藤さん

鳳来牛を見つめる内藤さん


──
内藤さん、みけんにすごいシワがよってますよ。
・・・そういった気持ちから愛知県、三河の牛である鳳来牛を扱うことに繋がると。

内藤
俺の思い込みもあるけどね。でも、愛知のおいしい牛を発信できるお店でありたいって思う。そういう環境をつくるのが、俺らの仕事じゃん。

──
この街で食文化の一翼を担っているぞ、という自負が内藤さんにあるんですね。

内藤
食の文化っていえば、松阪牛はすごいよ!

──
さっと笑顔になりましたね(笑)
食文化がすごい、ということでしょうか。

内藤
うん。松阪って、町ぐるみで松阪牛を食べることを誇りにしてるよ。
ちゃんと町のなかに松阪牛を食べられるお店があって、そこに住むひとが松阪牛を食べられることを楽しみにしてる。
仲の良いひとや、家族で、おいしい肉を食べて過ごす習慣が根づいてる。
俺からすると、それを誇りにしてるようにも見えるよ。

──
そうした習慣や文化とセットで、ブランド牛は存在しているんですね。

内藤
だから、豊田でも誰かが発信しないと!
そこで内藤精肉店でやってみようと思ったんだね。
松阪までいくには100年かかるかもしれないけど、まずは鳳来牛を販売することが、第一歩。

──
肉を売るというより、三河のうまい肉「鳳来牛」を発信する使命があった。

内藤
大げさに言えばそうだね。でも動機はそこかな。

──
実際に内藤さんは、どのようにして鳳来牛と出会ったのですか?

内藤
新聞の切り抜き。最初に知ったのは、スタッフが持ってきた新聞だよ。

──
えっ、新聞の記事が最初の出会いなんですか?

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