鳳来牛との出会いSTORY2/4

インタビュー2

内藤
ある従業員が、新聞の切り抜きを持ってきたの。
「社長、こういう牛は扱わないの?」って。

──
現場からの意見ですね。

内藤
そう。その時うちは、和牛を中心に扱っていたけれど、ブランド牛は扱っていなくて。
でも愛知県の、三河の牛ならいいよなぁって言って。

──
三河のうまい肉として、発信できるのではないかと。

ブランド牛を扱っていなかった内藤精肉店

ブランド牛を扱っていなかった内藤精肉店


内藤
それで、よしいくぞ!って。鳳来牛に会いに(笑)

──
え、いきなりですか?

内藤
いや、それが取引のある業者さんに話したらね。
「うち、鳳来牛を育ててる生産者さんと繋がりありますよ」って。

──
なるほど。すぐ向かって、いかがでしたか?

内藤
感動したっ!

──
声が急におおきく(笑)
えっと、鳳来牛に感動したんですか?

内藤
感動はね、生産者さんに。久保田さんというお名前で。
俺、久保田さんにあったとき「うわ!経営者だ!」って思ったの。

──
経営者というと?

内藤さんと、生産者の久保田さん

内藤さんと、生産者の久保田さん


内藤
うん。「どんな想いでやってるんですか?」みたいなんを聞いたんだよな。俺が。

──
内藤さんから話をふられたのですね。

内藤
みんなが潤うことを、自分の仕事から発生させることはできないか・・・みたいなのが、ものすごく久保田さんにはあって、そのうちの一つが飼料。えさね。
休耕田を使ってね、地元の人達がつくった稲わらも牛のえさにしていると。
「地元の人達が仕事で潤うほうがいいんじゃないの。」と仰っていて。

──
地域で仕事を作っていらっしゃる。

内藤
そのえさが、すんげぇ納豆くせぇんだよ。

──
発酵してる(笑)

内藤
なにこれ?!っ言ったら。これ餌だって。(笑)
また感動するのよ。今、飼料っていうのはね「自動給餌器(じどうきゅうじき)」を使うんよ。
どこも機械的にやるんだよね。人手を省くために。
だけど、久保田さんところは「手やり」やで。

──
飼料がシューッと自動で運ばれる時代に、手やり。

「蓬莱泉」の酒粕

「蓬莱泉」の酒粕


内藤
そう。久保田さんの鳳来牛は、地元の有名なお酒「蓬莱泉」の酒粕も、飼料に使われてる。
それも地域ありきというのか、地元のもので牛を育てていて尊敬するんだけどね。
酒粕だって、手やりだから飼料にできるんだよ。
自動給餌器で酒粕を流したら、詰まってしまうから。

──
効率だけじゃない方法だからこそ、酒粕を牛にあげられるんですね。

内藤
あと何がすごいってね、久保田さんの息子二人が、父親の背中見て「あとを継ぐ」っていう話。
よそで勤めとったのに、帰ってきて。「一家でいま牛育てとるで」っつって。
それが、親父に憧れてだから。そんな話・・・今あるか!?

──
内藤さん、こぶしが「グー」になってます。

内藤
うん、それぐらいの魂で作っとる牛なん。こんなん間違いないで。
・・・だから、牛よりも、久保田さんとのご縁を大事にしたかった気がするね。今思うと。
ちょっと鳳来牛の紹介にはならなくて、ごめんね(笑)

──
いえいえ。経緯を率直にお話ししただき、ありがとうございます。

30周年を迎える鳳来牛

鳳来牛が誕生したのは平成元年。実は、30年以上の実績あるブランド牛です。
ちゃんとした条件も設定されています。
・黒毛和牛であること
・新城市内の「鳳来牛認定生産農家」であること
・18ヵ月以上肥育していること
・規格が4等級以上であること
・生後13ヵ月齢以降に飼料添加物を給与していないこと

・・・など、比較的「きびしめ」な基準があります。
和牛のオリンピック「全国和牛能力共進会」でも、常に上位入賞し高い評価を得ています。



内藤
ただ、その紹介してもらった業者さんから、鳳来牛がおいしいって話は聞いていたから。
いつも競りでは、ほかの和牛よりも高値が付くし、大きな大会でトップになるとかね。
業界内では「お墨付き」があった上で、直接会ったら感動して。

──
得るものが、おおきかったようですね。

内藤
なんかその時”自由”みたいなんを手に入れたんよね。肩の力抜いて、利他的に経営されている久保田さんを見て。
自分でやりたいと思ったことを、小売店だからやればいいんだと。
こういう人がいるんだよ。鳳来牛っていう牛が地元にあるよ・・・と発表できるステージがいるわけよ。
生産者さんたちがスポットライトを浴びる場。・・・それが俺は、小売店の役割なんかなと思った。

──
三重の松阪牛、岐阜の飛騨牛、そして愛知の鳳来牛を発信しようと。

内藤
そういう想いで、パートナーとして選ばせてもらったのが鳳来牛。

──
業界では「お墨付き」という話でしたが、鳳来牛は内藤さんの言葉で説明すると、どんな味なのでしょうか?

内藤
肉をモリモリ食べられる味。米じゃなくて、肉をモリモリ。

──
肉をモリモリ?

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